事業承継信託

「TRUST(トラスト)」には色々な意味があります。信用、信頼、信託…。
弊社では、家族、親族、一族の中に育まれる信頼関係のことを大切にしています

そもそも「信託(トラスト)」の歴史は、中世のイギリスまで遡ります。発祥は諸説ありますが、十字軍として出征する騎士達が、利用したといわれてます。この当時は「ユース」と呼ばれていました。
幾多の変遷を経て、信頼を意味する「トラスト(tust)」として、個人の財産を世代間で承継(相続や贈与)するための仕組みとして用いられました。

その後、「信託」は、イギリスの植民地であるアメリカに渡り、ビジネスのための手段としての発展を遂げます。
イギリスでは個人が受託者となるのが一般的でしたが、アメリカでは法人が受託者(トラスト カンパニー)が登場します。
当時は州法などで「会社」が厳しく規制されていたため、「信託」の形式で企業経営を行う仕組み「ビジネス トラスト(business trust)」が盛んに用いられました。

現在のアメリカでは、個人の財産承継の仕組みとして、「信託」と「遺言」がセットで使われるのが一般的です。近年では、マイケル・ジャクソンの生前信託が有名です。
マイケル・ジャクソンは、生前に「マイケル ジャクソン ファミリー トラスト」として信託設定しておき、遺言により遺産をこの信託に組み入れました。

この信託の財産から、未払い医療費、弁護士費用、葬儀費用等の諸費用を負担した後の残額を、さらに2つの信託に分配したようです。
一つは3人の子供ための信託である「マイケル ジャクソン チルドレンズ トラスト」、もう一つは母親のための信託である「キャサリン ジャクソン トラスト」です。 

日本で信託法が制定されたのは1922年ですから、約100年前になります。2004年に信託業法、2006年に信託法が改正され、多様な信託が可能になりました。
従来、信託銀行など一部の会社でしか認められなかった信託業務の担い手が拡大された結果、公正証書で信託を組成する件数が飛躍的に拡大しています。
「ファミリートラスト」の直訳である「家族信託」も、日本でも認知症対策の手段として広く認識されてきました。

オーナー経営者の皆様へのコンサルティングを行う弊社では、「事業承継信託」の信託設計のサポートをしております。
「事業承継信託」とは、企業経営者の方が自社の株式を信託し、信託の財産管理機能を活用することにより、後継者へ円滑・確実に事業を承継する信託の仕組みです。

これまで手がけてきた「事業承継信託」のノウハウを「ファミリービジネス・マネジメント・トラスト」®︎として体系化し、商標として登録いたしました。
「ファミリービジネス・マネジメント・トラスト」®︎とは、単に自社株式の承継だけではなく、ファミリーとビジネスのガバナンスに配慮した信託の仕組みとなります。

信託を組成するにあたり、商事信託(受託者をプロに任せる)か、民事信託(自分達で対応するか)など、検討すべき課題は多くあります。
特に、ファミリービジネスの観点からは、ファミリー、ビジネス、オーナーの観点からバランスの取れた信託設計が必要となります。

詳細につきましては、お問い合わせください。

 

【コンサルタントの視点】

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